「この世界の片隅に」の映画を見たことはありますか?
わたしは、今回初めて見ました。アマゾンプライムで。
これまで、戦争映画は好きではありませんでした。
盲目的な思想で語られるものが多く、重たく、辛いものでした。
ただの戦争映画じゃない
この世界の片隅にを普通のよくある可哀想な戦争映画と思ってみると、驚きます。
戦時中広島から呉へ嫁いだ絵が上手なすずとその家族との話
場所 広島県呉市
時代 戦前から戦時中
要約
絵が上手で空想しがちなすずは呉の海軍の下っ端の周平の元へ嫁ぐ。周平は幼少期にすずを見初めており、熱心に探して嫁にもらった。すずは、ぼーっと空想することも多く、生家や嫁ぎ先でのんびり者としているが、持ち前の明るさと一生懸命さに周りの人たちはついつい手を貸してしまう。周平はそんなすずのことが大好きだった。配給も少なくなり、苦しい生活の中でも、タンポポなど野花を使ったアレンジメニューで食卓を工夫して、慎ましくも明るく懸命に生きていた。
終戦間近、兵隊に行った義父が下関の病院へ入院したため、義姉、その子ハルミと共に見舞いへ訪れた。そこでハルミと散歩中に空襲に遭い、防空壕へ避難し、敵襲が過ぎたため防空壕から出てハルミが見たいと言っていた軍艦を見ていた時…
感想
重かった。戦争のことがよくわかったとか、戦時中の生活がわかったと言ったことではない。致し方ないことだらけであるが、理不尽なことが多かった。しかし、その一方で家族愛や共に支え合う精神といった、いまの日本には少なくなってきている感情がところかしこに詰まっていた。
印象に残ったこと
ハルミちゃんが空襲で落とされた「時限爆弾」によって命を落としたところ。それまでのストーリーのテイストがゆったり、ほのぼのとしていて、戦争中でも明るく生きていた家族の話だと思っていた手前、ハルミちゃんがあのような形で亡くなり、すずがそれを悔やみ、家族が一度無くなってしまうようになった。それでも、血のつながっていない、ある意味では他人の義姉とすず、義母とすず、義父とすず、もちろん夫婦である周平とすずの家族の絆や家族だけではなく、近隣の人たちとの助け合いが支えになっていった。
いま、家族の絆が私の中でのテーマである。私はいま親とほとんど連絡を絶っている。理由はたくさんあるが、どうしても心の整理がまだつかないことがあるからだ。何があっても最後に残る絆ではあると思っているが、その分、それを維持させていくための努力が必要だと感じた。
この本全体から学んだこと
血縁だけが家族の証ではないし、家族だけが繋がりではないと改めて思った。すずは嫁ぎ先の北條家では他人だし、義姉もいる。子供もいないすずからしたら、「居場所」と言い切れるものが余りにも少ない。しかし、誰も知り合いのいない土地でも周りの人たちと支え合い、知恵を絞り、今の状況に適合していく。人と人との繋がりの大切さを実感した。
とりあえず、今日届いた親からの誕生日プレゼントに対して、一度お礼の電話をしようと思った。
まとめ
夫婦別姓や養子縁組といった事をここ最近考えてきたが、苗字や血縁は関係なく、いま私と関係を持ってくれている人たちへの感謝と、その人たちへの思いやりを忘れずに生きていこうと思った。
とりあえず、電話します。
まとめ
この映画はただの戦争が可哀想な映画にしてはいけないと考えましした。
戦時中の生活や戦争の悲惨さということは十分に伝わりますが、反戦映画でもなければ、原爆投下反対といった趣旨ではない。
すずさんに自己投影して感動して涙を流す映画でもないし、戦争の悲惨さ、貧しさに対して涙を流す物語でもない、貧中でも懸命に生きている少女に感動する話でもなく、生きている、いま、目の前にいる(ように感じる)すずさんの穏やかで激しい心の動きを読み取るものだと思った。
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