労働組合を作れず、転職することにした<働くとは4>

付箋が貼られた壁 アラサーの主張

会社の労働者に対しての扱いに不満があり、労働組合を作って戦おうとしました。

しかし、夢半ばで転職することになりました。

今回は、労働組合をつくることができなかったことについてご紹介します。

私の失敗から、何か学ぶことがあったらと思います。

失敗した理由は、「周知」と「危機感」「行動力」です。

労働組合をつくろうとした経緯を簡単に

会社は一族経営で、先代がカリスマ性のあるワンマン社長でした。

いいときはすごく良かったが悪くなると手のひら返し

業績の良いときはボーナスもあったし、条件面も他社の大手と並ぶくらい良いものだった(らしい)

しかし、業績が悪化してきたら、ボーナス無くすし、手当も減らす。

それが現れてきて、近いうちに福利厚生の最大のメリット「家賃補助」がなくなるとのうわさが!

年収は手当を減らされ減っているのに、家賃の補助までなくなってしまうとニッチもサッチも行かなくなる!

そのため、労働組合を作ることにしました。

作る時の目標は以下のものです。

家賃補助をなくすにしても、条件を付ける
無くす前に説明をしてほしい
そもそも、経営陣の給与と数を減らしてほしい

当初は有志で集まって勉強会を開いたりしていましたが…

失敗した理由「周知」「危機感」「行動力」

労働組合を作ろうとしてつぶされたわけではなく、作れなかったので、

「失敗」というより、「断念」が正確な表現かもしれませんね。

断念した理由として「周知」「危機感」「行動力」というのがあげられましたので、紹介します。

周知:労働組合を知らない人があまりにも多かった

一般企業では労働組合があり、会社によっては「強い組合」がある会社もあるため、存在は多くの社員が知っていたりします。

しかし、私の会社では組合自体が存在していないし、

新卒から採用がほとんどで中途採用をほとんどしていないため、そういった情報に疎い側面がありました。

労働組合=ヤバイ人たちのイメージ

少しだけ、組合について認知が進んだところで、ダメな人を引き入れてしまった面もありました。

「組合作ってストライキをしたい」勉強会で、このように発言した人がいました。

この瞬間少し空気と流れが変わった気がしました。

それまで「作ろう!」と言っていた人たちに迷いが見られました。

周知は短期間でできない

もし、今後、あの会社で作っていくならば、数年かけて少しずつ「組合とは?」「労使関係とは?」という点を少しずつ浸透させていく必要があったと思います。

そういったことを省いて(知っていると思っていた甘さもある)、「組合をつくろう」としたので、失敗したかな。

何事も少しずつ意識の中に刷り込んでいく必要があったな。

周知に付随した知識:組合がわからない

断念する前から感じていましたが、知識が圧倒的に足りないと感じました。

組合自体にも、労使関係に関しても。

組合を作りやすい会社はこういった感じの会社

本社1つ。部署複数。でもみんな同じ建物内で働いていて、労働条件は同じ。

こういった会社だと、一個で全て賄うことができ、みんなの価値観も比較的近いし、なにより直接話すことができる。事業所が1つなので人数の把握も比較的容易

本社複数、事業所複数、部署複数

会社は特殊な形態をとっていたと思います。

本社機能を持った会社が複数あり、各々社籍は違うものの、業務内容は同じ。

単純な分社化でもなかった様子。

日本全国に散らばっているため、事業所は複数。しかも小規模のため、10人いない事業所も。

散らばった事業所では、本社に何人いるのか、どの部署でどの社籍の人がどこにいるのか全く把握できず、

組合を作る上で「過半数で組織される組合」を目指したものの過半数の人数が把握できなかった。

営業部だけで作ろうとしたものの、どの社籍の人が何人いるのかも分からず。

作るにしてもA社、B社、C社で各々作るのか、「A,B,C社営業部」で作っていいのか…そういった細かい話を相談できる場所がなかったし、

仮に相談できても会社について何も知らなかった。

危機感のなさ:今まで大丈夫だったからこれからも大丈夫

危機感のなさ、これも大きな障壁でした。

「今後会社が家賃補助無くしてしまう可能性が大きいでしょ?」と言っても

「今まで出してくれていたのだから、いきなり全部なくなったりしないでしょ」

「多少減ったとしても今生活できているから大丈夫」

といったように、すぐ何かが起きるわけではない、自分に直接大きな影響がないから大丈夫と流れを受け入れることにした人も多かったです。

また、「将来組合創設にかかわったとバレると出世や転職に響く」ともいわれました。

組合結成メンバーはどうしてもリスクが多少出てきますが、出世できるまで会社に残れたらいいね。会社があったらいいね。

転職…できたらいいね。と思いました。

今の現状に対して適切な知識と対応ができないのに、その「先」があるのかな。

 

行動力:私もビビっていた

最終的にはこれが一番だったのかもしれません。

私自身も怖かったです。組合作って、転職できなくなるのでは?と一瞬よぎった瞬間もありました。

また、作ろうと実際に動いたものの賛同してくれる人がついてこず、設立メンバー(数名)だけの組合となってつぶされるのでは?とか。

こういった不安、恐怖は常に付きまとっていました。

転職することに

私は、組合を作るにあたって、転職活動を先にすることにしました。

これが最後の失敗かなと思っています。

私は、逃げや保険ではなく、作れなかった時でも「こういうところから内定がもらえる可能性もあるのだから、頑張って作ろう」という意味だったが、

冷静に考えれば理論は破綻していた。

当然、「裏切者」と言われてしまった。

後を継ぐ人も出てきてくれたが、まとめきれなかった。

その後残った人は?

その後残った人たちで秘密裏に事を進めていたようだが、元々予定されていた4月改定で大きな問題が起きず、さらに知識を少しだけ付けた状態で過半数代表者選出の話が出たときに会社側に質問をした人が多かったため、

「労働者に対して無理を言ったら危ない。」と会社が少し思い始めたように見えていた…

その矢先

懸念していた家賃補助がなくなった

家賃補助は条件付きでなくなりました。

しかし、その条件自体も会社都合の内容でした。

更に、世帯収入に対して補助が出るため、配偶者の年収を会社に提出するという制度まで加わりました。

産休育休への魔の手

産休・育休等で仕事から離れていた人に対しても今までは出ていたのでしょう。

それもなくなりました。

営業車の駐車場代も自己負担に

営業として会社から支給されていた車の駐車場代に対しても、上限が設けられ、それを超えた分は自己負担となるとのことでした。

休日、業務時間外にも使えるようにする等、自己負担に理解ができるシステムがあればまだしも、そういったものはなく。

さらに、都内など駐車場代が高額なエリアでも、かなり低い設定金額となっていました。

 

手当は減り、支出が増える展開でした。

今後、みんなが転職うまくいって、良い人生が歩めたらいいな

草原に立ち、光を浴びている人。すごい人。偉人を表している

現在、残った人たちは転職活動をしているようです。

幸いにも比較的業務内容が近い会社が大量募集を行っているようなので、内定がもらえたという話も少しずつ聞こえていますが、皆が皆うまくいっているわけではないようです。

社労士の勉強を始めていましたが、「裏切者」と言われながら、転職先で新しいい仕事を覚えながらの勉強はなかなかモチベーションは保てませんでした。

しかし、今回のわたしのように知識がなく困っている人はたくさんいるので、将来的には取得し、労使両方の助けができるようになれたらと思っています。

転職するか労働組合をつくるか…どちらがよいのでしょうか<働くとはNo.1>

労働組合を作りつつ、転職活動をすることにしてみた<働くとはNo.2>

社労士を受験することにしてみた〈働くとは3〉

【今ココ】→労働組合を作れず、転職することにした<働くとは4>

社労士について知れるおススメの本・漫画

小説、教科書の紹介です。

小説で社労士が主人公として描かれているものはこちらの2作品しか見つかりませんでした。

マイナーな仕事で派手さもないため、少ないのでしょうか。

マンガも1作品ありましたが、社労士ではなく、労働基準監督署です。勉強にはなりました!


<詳しくはこちら>社会保険労務士を目指す方におすすめのマンガ

ひよっこ社労士のヒナコ (文春文庫)


新米社労士のひなこが、新人→ちょっと案件を任せてもらえるまでのお話。1話完結なので、少しずつ短い時間でひなこの成長が見守れます。

社労士を目指したきっかけや 仕事内容がわかるので、社労士を知りたいかたにはお勧め!

きみの正義は 社労士のヒナコ (文春文庫 み 51-4)


前作よりも少し成長したひなこのお話。

友人の弟のアルバイトから正社員への問題や、学生アルバイトの時間労働など、身近なテーマの話が多く、読んでいるだけで勉強になります。

私も過去に時間外労働めちゃくちゃしていたなと、自分の無知を知りました。

みんなが欲しかった! 社労士の教科書


お勉強としてはこちらです。

簿記などでも有名なTACの社労士シリーズです。結構なボリュームがあったので、電子書籍で購入し隙間時間に読んでいました。

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