日航123便墜落事故をご存じでしょうか。
昭和60年(1985年)8月12日に群馬県の山中に520人以上が乗ったジャンボ機が墜落した事故です。
事故については30年以上たった今でも多くの「説」が言われており、この事故をテーマとして扱った小説や映画も多く公開されているのです。
今回、この事故を取り扱った青山透子さんの著書を読みました。
日本航空の元CA。123便墜落によって殉職した方と同じチームとして勤務していた。「同僚はなぜ亡くならなければならなかったのか」という思いから調査を開始し、科学的に客観的な証拠を集め著書を執筆している。
本の内容のネタバレにはならないように注意はしています。
不謹慎な言い方ですが、現在遺族の方が情報開示に向けた裁判等を行っていることもあり、リアルタイムで展開されていくミステリー、サスペンスとしての臨場感もあります。
理系ですが、工学系ではないので、飛行機のシステム等は全くわかりません。
事故については「坂本九さんが亡くなった事故」「サンマさんが乗らなかった飛行機」くらいの認識です。
私が良く見ている動画配信をされている方のちょっとしたトークの中で「陰謀論」について触れられ、その後YouTube、本と情報を集めていきました。
私の感覚としては、陰謀があったかどうかはわかりませんが、事故調査委員会の発表は鵜呑みにしていいレベルのものではない。つまり、「嘘」が隠されていると感じました。
風化させず、遺族の方がご存命なうちに事故の本当の原因が正確に究明されることを願います。
ドラマ「エルピス」でも、世論を動かしたことによる事件の進展がありました。そのように、風化させないということが大切だと感じています。
概要
日航123便について、元JALのCAの著者が、元同僚との思い出について紹介し、墜落現場へ赴く。
墜落現場の村の村長や、ご遺体の身元鑑定を行った歯科医などから、ご遺体の状況を聴取し疑いを持っていく。
わかったこと
今回の著書でわかったことがあります。
・ジェット燃料は灯油に近いもの。ガソリンとは燃えた後に残るものが異なる
・ご遺体の表面は焼けても、骨までボロボロになるような燃え方はしない
・生存者と火災にあった方では居た場所が異なる
・生存者は地元の消防団が見つけた。
・米軍は墜落場所を知っていた。
ジェット燃料は灯油に近いもの。ガソリンとは燃えた後に残るものが異なる
ジェット燃料とガソリンでは炭素の数が異なるため、燃え残ったものが異なるそうです。
ジェット燃料は「ケロシン」と「ワイドカット」に大別され、今回はケロシン。
ケロシン(英語: kerosene)とは、石油の分留成分の1つである。およそ沸点150 – 280℃、炭素数10 – 15、密度0.79 – 0.83のものである。ナフサ(ガソリンの原料)より重く、軽油より軽い。
ケロシンを主成分として、灯油、ジェット燃料、ケロシン系ロケット燃料などの石油製品が作られる。灯油の成分はケロシンだが、日本では灯油をケロシンと呼ぶことは稀で、ケロシンといえば「ジェット燃料やロケット燃料」のことが多い。
引用元:Wikipedia
ご遺体の表面は焼けても、骨までボロボロになるような燃え方はしない
墜落は夏の山であったため、山々には木や草が生えていて、地面は湿度を持っているはず。
それなのにかなりしっかりと焼けてしまっている。
→どのような状況だったらこのように骨まで燃えてしまうのだろうか?
生存者と火災にあった方では居た場所が異なる
火災があったのは、尾根の上の方。
生存者は飛行機の後部座席に座っており、衝突したときの衝撃で機体が2つに分かれ、滑落したところで生存者は見つかっている。
→かなり広範囲に燃え広がっているが、後部には全く火の気は来なかったのだろうか?
生存者は地元の消防団が見つけた。
生存者捜索のために、墜落の翌朝、地元の消防団が山に登っている。
その時には山頂のほうに人がいたらしい。
この人たちは自衛隊とみられている。
その前からいた自衛隊は見つけられなかったが、山を登って行った消防団は生存者を見つけることができた。
→自衛隊は山頂でなにをしていたのだろうか?
米軍は墜落場所を知っていた。
アメリカ軍は墜落場所をしっていたらしい。
そして、その墜落場所を墜落した直後に日本に教えているらしい。
→翌朝まで墜落場所不明はなんだったのだろうか
感想
疑惑の始まり…というか、疑惑しかない!
日航123便は、圧力隔壁説を安易に信じてはいけないと改めて思った。
仮に、本当に圧力隔壁説が本当の事故原因であったとしても、現場でカッターで切られて、積み重ねられたものの傷が事故の原因と断定して良いのだろうか。
原因がなんだったのか、それはいまだにわからないが、疑いは十分に持つことができる内容だった。
アメリカ軍が墜落場所を特定できていたということ、元日本軍の村長が日本軍の設備でもこのような状況では場所の特定方法を持っていたと語ったこと、これらから「翌朝まで墜落場所が特定できなかった」ということに無理がある。
日航123便墜落 疑惑のはじまり 天空の星たちへを読んで(感想文風)
この著書は元日本航空のCAが、同じチームで働いていた同僚たちの突然の死とその事故への疑惑を向け執筆した最初の本である。
著書は同僚たちとの出会い、思い出、事故を知った瞬間と涙なしでは読めない温かい記憶の一片を見せてくれる。そして、著者はこの事故に隠された事実について疑いを持ち始める。
慰霊のために訪れた御巣鷹の尾根、事故現場の自治体である上野村と村長。そして、身元判定のために派遣された歯科医師との出会いによって、疑いはどんどんと深まっていく。
事故当時からずっと今まで、墜落事故があった日、墜落現場は深い山奥で墜落現場が特定できないと言われていた。飛行機の燃料に火がついて火災が発生したと言われていた。この事故の基本となる2つの事項について疑惑が浮かび上がってきた。それは、自衛隊は墜落場所を知っていたということ、飛行機の燃料であるジェット燃料(ケロシン)はそこまで燃えないということだ。墜落場所に関しては、アメリカ軍が墜落直後に日本政府に情報を教えていたというのだ。さらにアメリカ軍が夜間部隊を投入し、救出を日本側に提案したが、日本から断られたという。
今回、この本を読んで情報は安易に信じてはいけないと強く感じました。この後も続編が続いていくので、どのような証拠が出てくるのか、その証拠の客観性についても自分で考えていきたいと思う。もし、疑惑が本当だったとしたら、墜落したところまでは事故だが、その後の対応は事件だと感じた。事故現場の自治体の上の村村長の話によるとレーダーとヘリコプター数機を使えば場所を特定する方法はいくつもあるとのことで、こういった話が出てくれば出るほど、この事故に対しての疑惑が深まっていく。上野村の村長、身元判定をした歯科医師はいままでなぜこのようなことを公表してこなかったのだろうか。ただの単純な事故ではなかったとしても、その後に時間が経ちすぎていて、新たに出てきた情報に対しても信ぴょう性が低く感じてしまう。
政府発表を信じるのでも、陰謀を真実のでもなく、起きたことに対しても疑いを持ち調べること、客観的証拠を集め、自分の頭で考え、自分の意見を持つということの大切さを学びました。この事故に対して、当時大人だった両親に話を聞いたところ、「圧力隔壁が原因でしょ?」と言われました。37年前の自分に直接関係のない事故の原因について覚えているくらい、当時の圧力隔壁説の刷り込みが強かったということを感じ、陰謀を単純に信じているわけではないが、恐怖を感じた。この数か月、隣国からのミサイルが連日発射され、新型コロナウィルス感染症ではワクチンに対しての陰謀論も多くささやかれた。病床は利権と化し、誰のためになにをやっているのかわからなくなっている。自衛隊、日本政府は日本国民を守ることが1つの任務となっているとおもうが、それを超える何かがあったのだろうかと邪推してしまう。そして、今後、日本国内で同様の事故が起きたときにどういう対応をするか、大切なポイントとなるから、是非とも今後の邦人保護と、日本の安全な航行のために事故の原因を究明し、対応案を出してほしいと強く感じました。
現在、遺族の方が情報公開に向けて裁判を行っていると知りました。是非とも風化させず、原因究明ができることを切に願います。
青山透子さん著書を紹介
青山透子さんは、元JALのCAで、123便で殉職した乗務員と同じグループで仕事をしていた。
同僚がどうして亡くならなければいけなかったのかという思いから、調査をしていらっしゃいます。
大学院へ通い科学的に証明する手法を身に付け、主観ではなく、客観的に情報を集め著書としています。
できれば、①から読んでいくと前回出てきた情報追加や、経緯などもわかりやすくなるため、順番に読むことをお勧めします。
読み始めたら止まらなくなり、ちょっとした時間を探して読み続け、2週間ほどで5冊を読みました。
①日航123便墜落 疑惑のはじまり: 天空の星たちへ (←今回はこの記事!)
出版日 2018/5/28
<文庫>
②日航123便 墜落の新事実: 目撃証言から真相に迫る
出版日 2017/7/17
<文庫>
③日航123便墜落 遺物は真相を語る 単行本
出版日 2018/07/21
④日航123便 墜落の波紋: そして法廷へ 単行本
出版日 2019/07/12
⑤日航123便墜落 圧力隔壁説をくつがえす 単行本
出版日 2020/07/21
コメント